第99回箱根駅伝【往路】感想

 

当日エントリー変更

 

 まず驚いたのが専修大学。木村&高瀬のダブルエースが2人とも当日変更されるのは、飛車角落ちなんてもんじゃないくらい痛手だよね。何かしらのアクシデントがあったものと思われるが...去年の雪辱を期待していただけに残念だ...

 

 優勝候補では、駒澤が3区吉本を篠原に、5区金子を山川に。金子は去年いい走りしてるのでそのまま行くかと思ったが、全日本の走り見てると山川5区も見たかったので大いに期待!

 青山学院は4区黒田が太田に、5区若林が脇田に。若林は体調不良であることを原監督が明かしてたが、脇田も事前候補で名前挙がった選手なので期待したいな。

 中央は吉居兄が2区。聞くところによると去年の箱根が終わった段階から2区構想があったらしい。素人予想の私は昨年同様1区だの上りが苦手だから3区だの予想してたけど、全然違ってましたw

 

 推しの東海は水野に変え越を4区に。ちなみに東海は昨年も7区に登録された水野を当日変更で越に変えており、2年連続同じパターンに。2年連続もそうだけど、同級生の越に変えられたのが水野君相当悔しいだろうなぁ...来年は是非出走を!

 

その他、城西は期待のルーキー斎藤を2区に。明治は森下&尾崎の若手コンビを3&4区。早稲田は4区に佐藤。東京国際は怪物ヴィンセントを4区投入。順天堂は主力面が順当に出走。國學院は4本柱のうち中西以外の3人(平林、山本、伊地知)が往路に登録。

 この時点でもうワクワクが止まらない。出場選手全員頑張れ!!!

 

1区

 まず正直な感想が、おせぇ!

 序盤で関東学生連合の新田が飛び出した。ただ、飛び出したというよりは、新田は予定のペースを刻み、2位集団が牽制しまくった印象。

 2021年の1区もとんでもないスローペースからのスタートとなったが、それを思い起こさせるような展開だった。青学の目片や駒澤の円あたりが飛び出せばみんなついて行ったんだろうけど、オープン参加の関東学生連合だったから無理して着いてこうとはしなかったんだろうね。あと、初出場の選手が半分以上だったから飛び出すのが怖いのは正直あったかも。

 でも最終的には抜かれてしまったけど、新田君めっちゃカッコよかったな!

 

 区間賞は明治の富田おめでとう!集団から飛び出して、駒澤の円が秒差で食らいついたがそのまま逃げ切ったのはエースの意地を感じた。明治は1区で出遅れてそのまま試合終了の戦いがここ数年続いてたので、絶対俺が何とかしてやるという魂が凄かった。

 駒澤の円は8秒差の2位は100点満点でしょう!ほんと何でこの選手が今まで控えに甘んじてたのだろうと思うくらい強かった。

 東海の梶谷はちょっと苦しかったね(汗)でもポテンシャルは素晴らしい選手だから来年またここに戻ってリベンジ果たして欲しい!

 東洋の児玉も苦しかった...これで東洋は駅伝5大会連続1区二桁順位。今日はハイペースで押す展開ではなく牽制し合う展開だったので、児玉としては自分の得意な舞台に持ってけたかと思ってたが...

 

2区

 ここはなんと言っても駒澤田澤、青学近藤、中央吉居の箱根史に残る先頭争いでしょう!普段スポーツにはまるで興味のない妹も、このシーンだけはテレビに釘付けでしたw

 

 吉居の最後のスパートはいつ見てもえげつないし、23km近く走った後しかも終盤の上り坂を上った後にあのスピード出せるのは文句無しでエース!初めての2区で66分20秒は信じられない。

 近藤は過去田澤と何度も同じ区間を走りいつも後塵を拝して来たが、今回ついにタイムで田澤に勝利。本人は田澤の体調が万全ではないのを知っていたため控えめな自己評価をしてたが、66分24秒は普通にえぐいよw

 田澤は12月に新型コロナに感染し大会直前の大事な時期に調整が出来ず、無理矢理箱根に合わせたことがレース後に判明。それを言い訳にしなかったのもかっこいいし、そもそもそんな状態で66分34秒で走ってる時点で十分ヤバい。

 いやー本当に痺れた!

 

 東海は石原が初めての2区で67分7秒!表情は苦しそうだけど馬力で持ってく走り本当感動した(泣)

 法政の内田や國學院平林も67分台。本当各大学レベル上がってるよね!みんなカッコよかった!

 

3区

 中央の中野、全日本で出てこなくて調子悪いのかな?と思ってたけど、しっかり合わせてきて流石Wエースの一角。区間賞おめでとう!

 駒澤篠原は下級生とは思えない試合運びだねw間違いなくエースと呼ばれる選手になる!

 

 早稲田井川は14位スタートから5位まで順位を上げる魂の走り。多分本人は箱根にはあんまいい思い出は無いのかなと思うけど、最後にエースの走りが見られて本当感動した。鳴り物入りで入ってきて、「自分が走らなきゃ早稲田は負ける」みたいな場面でずっと走ってきた重圧は凄かったよね。ましてや伝統の早稲田ブランドで。近年の早稲田OBは、清水歓太や太田智樹みたいに実業団で一流→超一流の殻を破る選手が多いので、卒業後も期待!

 

 東海花岡は1年生ながら素晴らしい走り!彼に3区の目処が立ったことで松崎を7区に回せたと思う。明日の復路に期待大!

 東洋小林は上位争いどころかシード争いからも脱落しかけたチームを再び引き戻した。

 明治森下は1年生ながら区間4位と前評判な違わぬ走り。

 順天堂伊豫田&國學院山本は前を追い続ける難しい展開でさすがの走りだった!

 

4区

 駒澤鈴木芽吹と青学太田のデッドヒート、これも箱根史に残る戦いだ。

 

 太田は去年3区で従来の日本人最高記録を更新した選手。今年あんまレースに出てなくて心配したけど、11月の宮古ハーフマラソンで優勝してしっかり箱根にピーク合わせてきたのは流石!

 普通、序盤突っ込んだ選手は後半耐える展開になりがちなんだけど、彼は前半突っ込みながらも後半ロングスパートできるスパート力があって、本当ロードに適した選手だと思った。来年は是非2区で見たい選手。

 

 芽吹は怪我が続いて走り込みが出来ない時期がありながら、区間歴代5位の記録で走り抜いたのはそこ知れぬポテンシャルを感じた。一旦太田に抜かれたものの最後抜き返すところがやっぱ並大抵の選手じゃないし、単純な走力やスタミナだねでなく精神力がないとあの走りはできない。

 駅伝界では、「速さではなく強さを持った選手」が重宝されるとよく言われるが、彼は速さも強さも両方持った選手だ。

 今年の出雲で彼には散々感涙させられたけど、箱根も本当カッコよかった!

 

 中央の吉居駿恭は、1年生でいきなり芽吹&太田という超ド級の選手と競り合う展開になって大変なところはあったろうけど、61分台は普通に他の年なら区間賞取れるタイムだし、何よりこの2人と競り合った経験が絶対プラスになると思う。

 

 東京国際のヴィンセントは、もう意味が分からないw間違いなく箱根駅伝の歴史上最強のランナーだね。彼の記録(特に3区)は向こう20年くらい更新されないんじゃないだろうかw

 

5区

 駒澤の山川君!長野の星!めっちゃカッコよかった!

 後ろから追ってくる中央の阿部が下りが得意との評判で、解説席もみんな「下り勝負になれば阿部に分がある」と言ってたけど、本人のインタビュー聞くとむしろ下りでは引き離せると思っていた模様。念のため言うけど1年生だよこの選手!

 全日本のときも4区にエントリーされて、他の7区間の選手が精鋭揃いだったことから「駒澤に勝つなら4区山川のところで差を詰める」が他大学の戦略だったけど、その戦略を真っ向から潰す圧巻の区間賞。逆境になれば燃えるのだろうか。

 今回の彼の1:10:46って2020年の浦野雄平とほとんど同じタイム。平地も速いし、本当楽しみな選手!

 

 中央の阿部も、タイムでは山川より良い記録で走って堂々の2位ゴール!

 櫛部監督から「山の神ではなく妖精になれ」と言われていた城西の山本は区間新記録カッコよかった!ちゃんと妖精になれたね!笑

 順天堂四釜も従来の区間記録更新!

 

 青学の脇田は結果的には駒澤中央と離されたけど、若林のアクシデントで急遽走ることになって72分台で収められたのは素晴らしかった。もう1人の候補だった黒田は4区の偵察メンバーに使われた以上今大会は状態的に無理だったと思うので、彼にしか出来ない役割だったと思う。

 

復路展望(上位3校+推しの東海)

駒澤大学

 6区はルーキーの帰山が登録されててそのまま出走が濃厚だけど、当日変更で変わるなら小野かな?それとも佐藤?まさかの赤星?誰が出ても初出場だけど、大八木監督が6区の対策をしないわけがないのでそれなりには走ると思う。ただ百戦錬磨の若林を相手取るのは少し難しいかな(汗)

 7〜9区は出雲&全日本の優勝メンバーで、10区に入ってる青柿も昨年10区を経験し、かつ最近絶好調との噂だから先頭争いは確実に演じてるはず。個人的には8区予定の花尾に期待!

 

中央大学

 優勝を狙った中で往路は2位だったけど、どの区間も失敗はしてないんだよね。

 復路は経験豊富&区間賞候補の若林が6区にいきなり登場してきて、多分6区では中央がトップに立つと思う。7区を乗り切れば8区9区は去年の経験者が出てくるし、10区は復活した助川、更に補員で主力の千守やハーフ62分台の山平&田井野を残してるので、マジで逆転優勝あり得る!

 

青山学院大学

 6区予定の脇田を5区に使わざるを得なくなったことで、西川がそのまま走ることになるんだけど、58分30秒くらいではしっかりまとめてくると思う。

 7区に入った佐藤は区間賞候補の実力者。10区中倉はこの区間区間記録保持者。かつ補員に岸本&中村を残しており、ハーフに強い田中&西久保もいる。中村は昨年通り9区に入るとして、岸本が8区(佐藤の状態次第では7区)に入るオーダーが濃厚かな?

 中村が9区に入る前提なら9&10区は区間記録保持者コンビになるので、まだ全然優勝候補!

 

東海大学

 想定ではあと3分くらいは速くゴールしてる予定だったはずだけど、シードまで2分ちょっとの差なのでまだ全然行ける!

 特に6区と7区、9区は過去の大会で好走経験がある川上、松崎、竹村なので、8区と10区の粘りに期待。4年生の佐藤&宇留田が入ってて(というか東海は復路暫定エントリー全員4年生)、そのまま走っても強いと思うんだが、直近で調子がいい竹割や神薗も見てみたい!