【青山学院大学】箱根駅伝区間予想

 

戦力分析&エントリー状況

 前回大会を大会新記録で制した青山学院大学。昨年の優勝メンバーから飯田、高橋が抜け、1区を担った志貴(3)も不調でメンバー外となった。エースの近藤(4)や"駅伝男"岸本(4)など、エントリー16人中9人が4年生という充実の布陣。下級生で期待されていた鶴川(2)や野村(2)などが怪我の影響or不調で外れたものの、その他の主力は予定どおりエントリーできている印象。

 

【4年生】岸本大紀、近藤幸太郎、中倉啓敦、中村唯翔、西川魁星、西久保遼、目片将大、横田俊吾、脇田幸太朗

【3年生】佐藤一世

【2年生】太田蒼生、田中悠登、若林宏樹

【1年生】荒巻朋熙、黒田朝日、塩出翔太

 

原晋監督

 

区間予想

1区(21.3km):目片将大(4)

 出雲駅伝1区3位。全日本でも1区を走り、いきなり飛び出し集団をけん引。最後は大東文化のワンジルに交わされたものの2位でタスキをつなぎ、1区の役割を果たした。元々5~10kmの距離に強いスピードランナーの印象があったが、春先ハーフマラソンで62分台の記録を出し長い距離も行けるところを見せた。その他候補は岸本、佐藤、近藤あたり?

 

2区(23.1km):近藤幸太郎(4)

 5,000mと10,000mで青学記録を持っている青学史上最速のランナー。昨年の全日本以降、駒澤のエース田澤廉と同区間を走り続け、田澤に迫るタイムで食らいついている。今年の出雲&全日本でもエース区間を走っており、何かない限りは近藤で間違いないかと。1区を重く見るなら、近藤を1区に配置し3年前2区で爆走した岸本を配置する戦略もあるか。

 

3区(21.4km):岸本大紀(4)

 駅伝において出る大会でことごとく好走する"駅伝男"。前回大会は怪我明けということもあり復路7区に回り区間賞を獲得したが、元々エース区間の2区で爆走した選手。今年は往路に配置いてくるか。前回大会で爆走した太田の状態次第では太田3区、岸本4区になるかも。ちなみに太田は今年余り情報が無かったが、先月の宮古ハーフマラソンで63分台で優勝するなど復調気味。

 

4区(20.9km):佐藤一世(3)

 唯一の3年生エントリーとなった、岸本に並ぶ駅伝男。前回は怪我明けということで復路8区に回ったが、本来往路を走れる実力がある(あれ、岸本のところでも似たようなことを言った気が...笑)。太田が前回大会の状態まで戻ってるなら太田3区、岸本4区で佐藤は昨年同様8区を担う可能性も。その他横田あたりも候補。

 

5区(20.8km):若林宏樹(2)

 前回大会、1年生ながら5区に登場し70分台の記録を叩き出した"若の神"。原監督は5区候補として若林、脇田、黒田の名前を挙げており、この中の誰かになることが濃厚。昨年と同じ調子なら若林が一歩リードか。

 

6区(20.8km):西川魁星(4)

 4年生の西川を6区予想。1,500mのスピードがあり、かつ4年生で初めての箱根となれば2020年に6区で好走したOBの谷野と印象が被る。なお原監督は6区候補として、5区でも名前が挙がった若林、脇田の名前を挙げている。

 

7区(21.3km):横田俊吾(4)

 昨年の出雲6区で初登場。今年も出雲&全日本に出場し、主力メンバーとして大いに活躍した。追う展開、追われる展開どちらにも対応できる選手で、終盤の粘り強さはチーム随一である。"よこたっきゅう"と呼ばれる、卓球のスマッシュのような独特の腕振りにも注目だ。その他候補は太田の調子次第で岸本、あるいはハーフに強い田中、西久保。

 

8区(21.4km):黒田朝日(1)

 1年生を誰か1人は出してくると思い、上りに強い黒田を8区に予想。MARCH対抗戦の10,000mで自己記録更新など調子も絶好調。その他、世田谷ハーフで2位(日本人1位)の田中、西久保、太田3区なら佐藤も候補。

 

9区(23.1km):中村唯翔(4)

 前回大会で、中央学院大の篠藤淳が保持していた区間記録を14年ぶりに更新した選手。箱根駅伝の歴史上、初めて9区で67分台を出した9区のスペシャリストである。往路メンバーも強力な布陣が揃っており、何かない限りは今年も彼が9区に出てくるのでは。

 

10区(23.0km):中倉啓敦(4)

 前回大会で10区の区間記録を更新した10区のスペシャリスト。既に2回10区を走っており、コースに対する理解度や経験値も豊富。こちらも9区の中村と同様、箱根の歴史上唯一10区で67分台の記録を持っている。何かない限りは彼で間違いないでしょう。

 

個人的キーマン

目片将大(4)

 昨年の優勝メンバーが7名残る中で、走れば箱根駅伝は初出場となる4年生。その他の出走予想メンバーは経験があり、ある程度走ることが予想されるので、箱根未経験の目片がどのような走りを見せてくれるのか注目したい。

 

区間予想10人以外の注目選手

太田蒼生(2)

 昨年の箱根は3区に出場し、1年生ながらチームをトップに押し上げる素晴らしい走り。特に東京国際大学のエース丹所に一旦追いつかれたものの、丹所のペースを借りる形で後ろに付き、最後に突き放した老獪な走りはおよそ1年生とは思えない恐ろしさを感じた。原監督が「1年生の時点での実力なら岸本より上」と評した理由がよく分かる。今年はあまりレースに出ておらず不透明なところがあったが、宮古ハーフで優勝など大分調子を戻しているようなので出走してくるかも。

 

西久保遼(4)

 ハーフマラソンで62分台、関東インカレのハーフでも昨年は優勝、今年は3位と毎回のように好成績を叩き出しており、正直なぜ今まで学生駅伝に出たことがないのか分からない実力者(一応昨年の全日本6区に出走予定だったようだが、体調不良で回避したとの噂)。最初で最後の出走はあるのか!?

 

田中悠登(2)

 世田谷ハーフで2年連続日本人1位を獲得している2年生。箱根は20km近い距離を走るロードレースなので、田中にとっては最も得意とする距離である。出雲は5区6位と、彼の期待値から言えばやや物足りない結果。その後全日本には出ていないことから泣く泣く予想から外したが、前述のとおり箱根は本来彼の得意とする距離なので、復路8区あたりに出てくる可能性がある。