【創価大学】箱根駅伝区間予想

 

戦力分析&エントリー状況

 2020年の箱根駅伝でシード権を獲得(総合10位以内)すると、翌2021年の箱根は10区途中までトップを走る総合2位と大躍進。前回2022年は7位に入るなど、現代駅伝の強豪校として名乗りを上げている創価大学。強力な外国人留学生のムルワ(4)や日本人エースの葛西(4)、嶋津(4)らを中心に、2年前の忘れ物を取りに行く。

 

【4年生】緒方貴典、葛西潤、嶋津雄大、新家裕太郎、濱野将基、フィリップ・ムルワ、横山魁哉

【3年生】桑田大輔、山森龍暁

【2年生】小暮栄輝、野田崇央、吉田凌、リーキー・カミナ

【1年生】石丸惇那、野沢悠真、山下蓮

 

榎木和貴監督

 

区間予想

1区(21.3km):葛西潤(4)

 創価大学の中において日本人エースと言えば彼。榎木監督の区間配置の傾向として、2020年の米満、2021年の福田など1区に日本人エースを配置する傾向がある。全日本で1区を担った横山の調子次第では2年前に爆走した3区を走る可能性もあるが、先手必勝が創価の必勝パターンで、これまでその戦略でシードを獲得してきているので今年も1区にエースを置いてくるかと。その他の候補は前述の横山、あるいは緒方もあり得るか。

 

2区(23.1km):フィリップ・ムルワ(4)

 10,000m27:35:29の記録を持つ創価のエース。ここは何か起きない限りは彼で間違いないと思う。何かあった時のサブとしてはもう1人の留学生ランナーであるリーキー・カミナがスタンバイしている。

 

3区(21.4km):吉田凌(2)

 昨年箱根8区、今年は全日本で3区を担当。全日本の3区は大学によってはエース区間と捉える指導者もおり、その区間を任された吉田は時期エースの階段を上っている最中なんだろうと思惟する。2年時に3区で爆走した葛西の系譜を踏み、勝負させるのではないか。その他の候補としては山森、小暮、桑田、石丸、横山が1区に来た場合は葛西もあり得る。

 

4区(20.9km):嶋津雄大(4)

 2年連続4区で好走している嶋津を今回も4区予想。「網膜色素変性症」という持病を抱えながら魂で走るランナーである。2020年箱根は10区区間賞(区間新記録)、2021年は4区2位、2022年は4区区間賞と安定。2021年の区間賞は山梨学院大のオニエゴであり、箱根では日本人選手に負けたことがない。他の候補は横山、吉田、石丸あたりか。

 

5区(20.8km):野沢悠真(1)

 山登りの5区にルーキーの野沢を予想。5区候補としてはもう一人、4年生の新家をずっと考えていたんだが、"仮想5区"と言われる激坂王決定戦で野沢が素晴らしい走りをしたことから彼に予想を変えた。新家も激坂王を走って好成績を残しているが、野沢が先着したことや、新家は平地でもある程度走れる選手ということからこの予想に落ち着いた。

 

6区(20.8km):濱野将基(4)

 過去2回6区を走り、いずれも区間1桁順位でまとめている下りのスペシャリスト。特殊区間を対応できる選手がいるのは箱根を戦う上で心強い。今年はやや不調気味で箱根出走は微妙かと思っていたが、先月の日体大記録会で久しぶりに28分台出して大分調子も戻っている模様。あと長野県の佐久長聖出身なので個人的に見たい。

 

7区(21.3km):新家裕太郎(4)

 昨年7区4位と好走。5区候補にも挙げていたが、激坂王で好走した1年生の野沢を起用すると予想したため、前回大会で好走した7区を今年も担ってもらうのがいいか。上りに強いということなので8区も候補。その他の候補は石丸、山森、横山、桑田、小暮など(沢山)。

 

8区(21.4km):石丸惇那(1)

 ルーキーの石丸を8区予想。出雲&全日本はいずれも4区を走り、1年生ながら既に学生駅伝を2試合走っている。出雲と全日本を走らせて箱根は走らないことはあるのだろうかという浅はかな考え+今後チームの中心になる選手という期待を込めて復路での出走を予想した。7区の新家と8区石丸は逆もあり得るかも。その他の候補は新家、吉田、山森あたりだろうか。

 

9区(23.1km):山森龍暁(3)

 かねてより楽しみな選手として榎木監督が度々口にしていた山森。全日本は最長のアンカー8区を任された。10月の平成国際大記録会で自己ベストの28:35:17を記録。全日本は区間11位に甘んじたが、駅伝経験を積めたのが大きいのでは。長い距離の適性を評価されての全日本8区だと思うので、最長区間の9区を。その他の候補は小暮、嶋津、新家あたりも可能性あるか。

 

10区(23.0km):小暮栄輝(2)

 ハーフマラソンで62分台のタイムを持つ2年生。噂によると往路区間のどこかに投入されるような声もあるが(恐らく3区?)3区は吉田を予想したため、復路区間で距離が長い10区を。3区候補=下り基調に強いということなので、9区に小暮で10区山森の区間配置もあるかもしれない。

 また、3年前に10区で区間賞の嶋津が再び登場する噂も。嶋津は学年は4年生ということになっているが、2年生の頃に休学期間があったため1年留年し、大学生活は5年目の選手である。そこで往路の主要区間を後輩に譲り、復路に回るみたいな話も出ているとかいないとか。その他の候補は山森、あるいはキャプテン緒方に託すかもしれない。

 

個人的キーマン

山森龍暁(3)

 2年前の箱根駅伝創価大は総合2位と大躍進したが、その時に復路の中心選手として大きく貢献したのが当時9区を走った石津佳晃だった。展開としては、4区の嶋津で首位に立つと、5~8区の選手が首位を堅持。8区で駒澤大に差を詰められ「駒澤の逆転あるか?」と思わせたところで石津が区間記録に迫る爆走で優勝をほぼ手中に収めた。結果的には10区小野寺のまさかの大乱調で駒澤に大逆転を許したが、往路の区間配置(あくまで筆者の予想だが)を見ると、2年前と同じレース展開を想定しているのかと想像せざるを得ない。

 創価大は前回大会でもシードを獲得したが、復路5区間中この9区だけ区間順位2桁と順位を落としている。目標はシード権ではなく総合優勝を狙っているとのことなので、彼が9区で爆走するのは必須条件といえる。

 

区間予想10人以外の注目選手

緒方貴典(4)

 創価大学駅伝主将。学生駅伝は昨年の出雲1区で出走経験がある。10,000の自己記録が28:42:44、ハーフが1:03:01と出走してもおかしくないタイムを持っている。直近では先月の東海大記録会で28:48:15を記録し、自己ベストの状態に調子が戻りつつある。

 

横山魁哉(4)

 昨年までは駅伝出場は無かったが、10月の平成国際大記録会で28:33:58の自己記録を出したのを追い風に、今年の全日本に登場し1区5位。世田谷ハーフでも63分台を出し今年1年で急成長している選手。正直箱根の1区出走も全然あると思う(その場合は葛西が3区)。

 

桑田大輔(3)

 昨年の箱根駅伝で3区を担当。区間順位は18位と不本意な結果だったが、2年生で往路を任されるのだから相当な期待を感じる。出雲&全日本には出られなかったものの、10月の平成国際大記録会、11月の日体大記録会で立て続けに28分台を連発し、今絶好調と言える。他の選手との兼ね合いで断腸の思いで予想から外したが、普通に強い選手。